先日の練習場は雷雨が続いた影響でやや増水気味。この為、稚鮎釣りが再び増え練習場所に少し困るも午後には殆ど帰って行ったのだが、彼らが帰った後にはゴミが撒き散らしてあり、実に迷惑極まりない連中だ。
それにしても当日は朝から涼しく最高気温も30℃程度で済みそうではあったものの、下流から吹き上げる厄介な風が午前中から吹いて練習の邪魔をする。この風、5月にもなれば毎度恒例の風でも絶対に慣れる事は出来ないだろう。
もう随分と昔、今は亡き某有名人がフライのキャストティングは向かい風が有利とかいう説を唱えていたと言う。これは当時から信じられなかったが、それは未だに変わらず、何か別の意味が込められていたのではないかとも思える。
こうして今回、向かい風に対抗する方法でも模索して見ようと先端4.5mティップを幾つかに交換していると驚くべき事を発見してしまっていた。
これまで12ft~16ftまで数種類のロッドから色々とテストか重ねていると、4.5mティップと5.5mの本体の重量バランスでは何時しか一定の法則の様なものが出来ていた。
これを題して ツー・プラス・ツー・バイ ( 2 + 2 × ) の法則。(笑)
つい最近、ラインを軽量化する方向で検討し始めてはいるが、例えば以前の状態で10番クラスのロッドではティップは10g前後を使い、本体部分にはティップ重量 ( 10g ) に 2 を加算し、更に2 を乗じた重量 ( 24g ) の誤差1g前後辺りが適しているといった具合で一応これは手持ちのダブルハンド・ロッドには全て当てはめて問題は無かった。
よって、この日もずっと組み合わせている10gのティップに25gの本体で使っていたが、ふと血迷い向かい風の状況ではティップは重い方向がいいのではないかと12gのティップを接続してキャストするとコレが全く駄目、ロンチポジションからの立ち上がりというか、ライン展開が鈍くなってしまい満足にシュート出来ない。
そういえば過去にもこんな同じ事を試しており、その時と全く同じ結果だったと思い出していたが、では逆にティップを軽くすると一体どうなる。当然こんな疑問が湧くが、勿論これも試している。この場合、過去の経験上ではシュートから放たれたラインが真っ直ぐに延びる前に着水してしまう。一般的にターンが悪いという状態になる筈だ。
それでも今はラインを軽くしている上、そもそもロッドとラインのバランスが以前とは違いキャスティング自体も以前とは大分変わっている。もしや何か違いがあるかも知れないと大した期待もせずに、ついで程度の軽い気持で試す事にしていた。
では、何gにしようか。10gから少し軽い9gがいいのではと探していたがコレのタイプⅠが見当たらない。シンクレートを変えてしまうと比較にならない為、更に軽い8gで試すしかないのだが、これでは軽過ぎてしまい全くお話しにならないだろうと勝手に思い込んで躊躇してはいたものの、無茶である事を今一度確認するつもりでキャストする事にした。
ティップも2g軽いと準備段階から違う。8gのティップはライン番手にすると8番程度しか無く、ログネスでは軽過ぎてライン全部がガイドを通過しない。何とか全てのラインを延ばすとリフトでも全く軽く何か頼りない感じすら漂う。
ここから幾らなんでもコレは無理だろうと考えつつもスイープしてシュートしていたが、この瞬間、往年の名優の如く 「 ナンじゃコレは~! 」 とブッ魂消た。(笑)
何と例えればいいのか良く解からないが、何かシュート時にDループがフワッと上を向いた様な感触で軽くて物凄く投げ易くシュート時のラインスピードも速くなった気がしていた。
問題のターンも向かい風で元々の10gのティップでもターンしていないので良く判断出来ないが、最終段階のターンも特別悪い感じはない。無風なら何ら問題がないのかも知れない。
いや~、これには恐れ入った。こうなってしまうとラインに対する今迄の考えは一体何だったのだろうか。これでは全てのラインを見直す必要もあり、どうも受け入れ難い。
ライン全体の構成として、本体部分は10/11、ティップは8番と太さの面でも全く違い、これは胴体がビール瓶の様に太く、尾はネズミの様に細い “ ツチノコ型 ” でどう考えてバランスがいいとは考えられない。
ここから再び10gのティップに戻して何度キャストしても既に扱い難く、直ぐに8gへ戻すとやはりいい。最早これは勘違いでも気のセェ~イ!でも無く、この組み合わせの方がいいのは確実となっているのだが、もしや近頃の “ シューティング・スペイ ” とはこういったものを指し、スカジットに近かったキャストがこれに近づいているのだろうかとも考えていた。
う~~ん、それにしても、“ ツチノコ・ヘッド ” 恐るべし。