暖かい日が続いていた関東地方ではあったが、春分の日に降った冷たい雨によって長く渇水状態の続いた流れには濁りが予想され、また太平洋に抜けた低気圧からは沿岸部で風速20m、陸地でも10mの風が吹くという天気予報が発表されていた。
ここから、先日は釣りには見切りを付け、今一度練習に徹する事を選択したが、つい数年前迄、群馬県や栃木県の解禁は丁度今頃だったと考えると然程残念でもない。
2週間振りに訪れた練習場は菜の花が沢山咲き、遠くに見える欅には新緑が薄っすらと広がり始めているのが曇り空からでも感じられる。そして渇水から水溜りの様だった流れも潤い、力強い流れが蘇っている。自然界全てが春の恩恵を授かっている様でもある。
9ヶ月振りに釣りを再開した前回、ログネスは僅かしか使わなかったものの、左の反転式は更に安定感を増し、2枚重ねだった手袋も薄手の一枚にし、懸念されたランニングラインのハンドリングも問題は無く、飛距離が延びるのは勿論で寧ろ投げ易い感じさえしたが、一つだけうっかり忘れていた課題はスイープ時のロッド軌道だった。
これ迄、左の反転式ではスイープ時に描くロッドティップの軌道が波打ってしまい理想と考えられる 反比例の曲線図 の如く滑らかに作動していないと考えられ、この点に注意しようと考えていたのだが、他の課題である力を抜いてキャストする事だけに気を取られてしまっていた箇所に悔いが残った。
それでも、力まずにキャストする感覚が随分掴めている。ラインを引き抜いた後は、肩の力を抜いて敢えてダラダラとした動きにするが、力みが発生し易いのがスイープ時で、これはヘラブナ釣り等の延べ竿の振込みでも同じだ。
ヘラブナ釣りの世界で道糸が使用する竿よりも長い状態を関東では属に “ バカ ” 或いは “ バカが付いている ” や “ バカ投げ ” 等 と呼ぶ。
これは良くない表現で通常、道糸の先にはハリスが付属する為、道糸自体は竿よりも短くして使うのが通常ものを態々そんな扱い難い仕掛けで釣りをするのは馬鹿が行う事の例えだと耳にした事があるが、これはペリーポークのキャストをオーバーハングが3mも飛び出ている状態でキャストすると言う事に似、ある意味 “ 馬鹿投げ ” の部類だと思える。
ヘラブナの仕掛けをこうした “ バカ付き ” で送り込むには当然難しく、力み無く竿の反発を利用して送り込まなければ失敗する。
そして、オーバーハングが3mの状態でDループを形成させるには強くスイープしなければならないと考えると当然余計な力が加わるが、16ftものロッドに10mのシューティングヘッドでは大した長さではなく、ここで時力んでしまうと何故かシュート時にも力が加わり過ぎてキャストが乱れる。
これらはロッドが長く、そして重くなる事によって更に力を入れたくなるが、こうしたロッドは力ずくで捻じ伏せてやろうとすると各動作が遅れる事を招く結果にもなり更に悪い結果を齎す。
この感覚が漸く身体中に浸透し始めている気がする。
でも、何だかヘラブナ釣りにも行きたい陽気だな。(笑)