近頃は急速に発展した動画投稿サイトで世界中のキャスト映像を見られる様になったが、これらを見て感じるのはアンダーハンド・キャストでの映像が実に多く、地域によってスペイキャストとは、この方法を指しているのではないかとも思えてしまう程だ。
これらに触発された一面もあるのだろうか、先日の練習では以前から気になっていたアンダーハンド・キャストを新たに試み始めた。
このキャスト動作も、ふとした時に練習していたが、鍵と成るのは如何にして上グリップの力を抜くかであり、以前試した時には日頃の癖から、どうしても上の手で押し出してしまっていた。
リフトしてロールーアップと同時にランニングラインをリリースし、3m程のオーバーハング分を送り出すが、ここまでの主な役割は上の手で行う。ここから先はロッド上の握りは親指と人差し指で支点として摘む程度に留め、この先は下の握りでクルりと円を描きお腹に突き当てるとロッドテイップが急停止されライン飛び出して行く。
まだ飛距離は出せないが、16ftのロッドに10mのシューティングヘッド、こんな扱い難い組み合わせ、以前では全く手に負えなかっただろうが、意外にも今回、イメージに近い動作が出来る様になっていた。そして感じるのが、やはり簡素化された動作でキャストしていても非常に楽である。これは前評判通りで、これまた楽しい。
このまま調子に乗って、今度は左からキャストして見ると、これは全く駄目。左ならばシュート時には利き腕の右で行えるので更に良くなるではと思いきや、何故か左上の手で押出してしまう。これも実に不思議だ。
また、これらダブルハンド・ロッドのキャストで共通した難点と言えるのが、シュートする分のランニングラインを指で挟み込んだ状態からのキャストだ。
これも結構厄介であり、その際たるは糸絡みなのだが、ここではさて置き、こうしたランニングラインを指で挟みながらのキャストでは他にも厄介な事が生ずる。
それは握力の低下だ。ランニングラインを握った状態での下グリップの握力は、どうしても普段より低下する。その為、ロッドの支点を上下グリップの中心にシュートする方法では上下バランスが崩れ、上側のグリップを押出す力が強くなり、その結果シュート時のライン発射角度が下向きになり水面に叩き付ける傾向になってしまう。
これは高番手の道具、更には3つの指間を使い20m以上ものラインを挟んでキャストするに至るとより著しくなり、より一層の練習が必要とされるのだが、このアンダーハンド・キャストではロッドの支点は上側のグリップにある為、この心配に関しては減少すると思われ、これらは上の手である支点の位置を変えるだけで調整出来きそうだ。
但、少し心配されるのは、ラインを挟み込んだ下グリップを身体に突き当ててシュートする為、ランニングラインが身体に接触し易くなり、より糸絡みを誘発させる傾向にあるのではないだろうかという懸念だが、これらも今後の練習で検証しようと思う。