今年5つ目の台風が接近し午後からは南風が強まると予想され、先日の練習場に選んだのは、山間の玄関口とも言える河原に決定した。
今回は右岸となり、左片手のシングルスペイを練習するのに適している。先ずは風が強まる前にと、こちらの練習から始めた。
この日は5番ロッドに重めの7番ラインで略一日通したが、この所は左の前腕屈筋の強化に取り組んでいた成果が上がり初めているらしく、このラインでも徐々にベリー部を長く延ばした状態から扱える様になっている。
スイープ時に左腕に呼応し、早く動き出してしまう右手のホールは、徐々に改善されつつある。ロッドを持つ左手を後方に引く際に、ホールする右手を意識的にロッドへ添えた後、ホールを開始すると修正出来るが、右のキャストの様に無意識には行えず、少し気を抜くと直ぐに元に戻ってしまう。
問題なのはシュート時のホール。素振り的な練習では結構出来ていると思っていたが、実際にロッドとラインを手にすると何故か出来ない。どうもオーバーヘッド・キャストの如く大きくホールを加えようとした動きで間合いも合わず逆効果になっている。
こうして行き詰った状態に陥った時は心機一転、ダブルハンドロッドの練習に切り替えると実にいい気分転換にもなる為暫し、こちらで憂さを晴らした後、シングルハンド・ロッドを握る。
やがて、こんな事を幾度か繰り返していると、ふと閃く(ひらめく)時がある。
「 上手く行かないのは上腕を使ってホールしている為なのでないか。そうか、そうだった。右からではこうしている。」
早速、上腕部の力は抜き、肘から先、主に手首を意識的したホールにすると効果的であると分った。この時既に、下流からの風が強まってはいたが、全ての間合いが合致した際には3m程度のシュートならば出来る様になり、キャストが楽しくなる。
「 うん、いいね。右より上手いかも知れないな。」 ふと、こう呟いている。
重たい物体を引き付ける様な時は上腕部の筋肉を使うが、軽い物を素早く瞬間的に引き付けるには手首に限る。これらは極当たり前、そして極普通の事だが、左での動作ではこんな事でも分からずに不自然で実にぎこちない動きになる。
ここでも散々遠回りして気が付いた。同じ練習を一人延々と繰り返していても然程の効果は無く、時には気分転換が必要であり、最近始めたシングルハンド・ロッドの練習はこの点でも大い役立っている。