先日の練習では遂に、この釣りをも始める事に至ったの
友人 にキャスティングの初歩を教える事になった。
とはいえ念の為付け加えると、ここの定番とも思える?ダブルハンドロッドは無くシングルハンドロッドで、個人的には最も苦手とするオーバーヘッド・キャストではあるが、ほんの基礎的事項なら何とかなるだろうと思っていた。
実は彼、先週に
もう一人の友人 の誘いからこの世界に足を踏み入れたので、お遊び的な事は除いて実質今回が二度目となる。
時としてスキー、スケートやゴルフ、器械体操等、上手な方の個人技は実に滑らかで第三者として見ていると、とても簡単に見えるので自分でも出来ると過信してしまう事がある。
というのはこれ以前に、一度だけ全くの未経験者にフライフィッシングのキャスティングを教えた事があったのだが、その方は自分にへら鮒釣りを教えて戴いた方なので21尺等といった長竿であっても正確に同じ場所へ振り込む事の出来る人だ。
何でも、以前に信州のダム湖でへら鮒釣りをしていると、近くでフライフィッシングを行っている人を見て以来、自分もやって見たいと感じたので教えて欲しいと言うのだった。 「 とても難しいですよ。」 と密かに諦める様に促すのだが、その方は 「 そうか、でも大丈夫だろう。 」 といった風でどうやら自身有りといった様子だった。
こうして数日後、等々これを教える事になってしまった。河原に到着して先ずはお手本がてらにキャストしからロッドを渡すと、当然の如くキャスト出来ない。手首は返ってしまうし、バトミントンのラケットでも振って居るかの様な回転運動だけに頼ってしまう。「 あれ、こんなにも難しいのか。」 といった言葉を発して随分と驚いた表情をしていた。
毎度、教科書通りの指導で脇を閉めて手首を固定し、ロッドの角度は時計に針で10時~2時 ( で良かったか?。) で直線的に動かす様に伝えるが、これが出来ない。例え頭で理解していても、この独特の動作は通常の遊びとして慣れ親しんだボールを投げる、ボールを打つ等といった動き、或いは金槌で釘を打つ等の比較的身近な動きから応用できる事はない。つまり非日常的ともいえる動作でもあるのだ。
案の定、暫くすると疲れが生じてくるので今日はこの辺で終わりにしましょうといった事になるのだが、その方が再度教えて欲しいと言ったかどうかはご想像の通り。(笑)
と前置きが長くなってしまったが、この日の友人もこれと最初の内は全く同じで腕全体を大きく動かし、円を描いているのでフライラインを前後の水面に叩きつけている。
しかし、この先は違った。やはり手首を固定し脇を空けず、肘から先を直線的に前後してロッドを倒し過ぎない様に伝えると徐々にこれが出来る様になって来た。
大分良くなった。後は何を伝えればいいのか、自分でも良く分らなかった。暫し考え辿り着いたのが、ロッドの強制停止、そう所謂ポジティブ・ストップってやつだ。
幸いな事にルアーのキャストに長けた彼はロッドの反発力を活用してキャストするという事を十分に理解していたので、ロッドを前後させる際にこのポジティブ・ストップさせてロッドに負荷を与える事を伝えると即座に納得しそれを見事に吸収した。すると何時しか綺麗なループが出現した。
何と覚えるのが早い事だろうか。経験上、ロッドを前に振る事が出来たとしても、後に振り上げる力はどうしても劣るのでそれを補おうと力みが生じてラインが乱れるものだが、彼の場合は前後均等な力でロッドを前後しているので、これが二度目とは思えないループが前後に現れては消える。そこには∞文字が浮かび上がっていた。
これはロッドに負荷を与えるには強制停止が重要である事を自身再認識させられた瞬間でもあり、もっと遠くへ飛ばす為の鍵はここにもあるのかも知れない。
更にもう一つ感じた事は、やはりシングハンドのフライロッドも楽しいという事。久し振りの4番ロッドは実に軽快にして繊細。また、この釣りの出発点はここにあった事を思い起こしていた。
と同時に、何といってもフライフィッシングが一番面白いと感じた。