ジェラルドのスイープ・・・。ここには如何にしても踏み込めなかった謎が取り残されていたが、それも遂に解かれた。
とは言え、その文章化にも無理があるが、敢えて敢行すると、その話はリフトの定義にまで遡ってしまう訳だが、こんな観点を持ってしまう要因もジェラルドに限定されるのだろう。
そこで、ジェラルドの動作に着目した際、ラインが水面から引き剥がさられる工程には一種の変化が見られ、先ず開始は通常の通り、ラインは概ね真上に向かって引き剥がして行くものの、ある時点へと差し掛かった段階では両腕だけの操作から僅かに一瞬、横へ滑らせる様な操作を挟み、その直後に “ ボディ・ターン ” へ移行する為、この時の横へ滑らせる動きはスイープに含まれるとの解釈も成り立つ反面 ・・・、スイープとは身体の回転と直結する時点からと定義付けた場合、腕だけの操作としてリフトの範疇となるとも考えられると、白黒の判定が付かない所謂 “ グレー・ゾーン ” がジェラルドの動作には見られる。
ここから、ジェラルドがリフトからスイープへと移り変わる際、フォア側のグリップとリア側のグリップが描く複雑な3次元の軌道にあり、これは特にリアのグリップに顕著に現れる。
それは、通常だとリフトによってフォア側のグリップを立てる動きに連動してリア側のグリップは反対側へ押し出される格好になるにも係わらず、彼に限っては、そのリアが押し出せられて角張った動きが出ないばかりか、寧ろショート・カットするかの如くスイープへと移行する他では誰一人見ない独特な動きを作り出す仕組みが長年に渡って解らず、これが最大の難局だと捉えていた。
そして、4月と共に新年度を迎えた先日の練習によって、そのリア・グリップはシュート・カットまでは届かずとも、逆側へ押し出してしまう現象に関しては遂に歯止めが掛けられ、これが冒頭の発言へ繋がる訳だが、シュート・カットまでには至らない原因には意図とは逸脱した動きも見られとあって、ここには単なる慣習や精度と言った課題があるのだけなのか、或いは他に未だ不足する何かが残っているとしても、この改善策にも心当たりはある上、兎にも角にも今回の出来事は間違いなく大きな前進となって、特に右のシングル・スペイは格段にして確実に進歩し、毎度の向い風ながら大きく崩れる事態にも見舞われないまま一日を終えた。
ここには、今迄だと難解になっていた動作が簡素化され、ほぼ同じ内容でありながら楽に成り立っている合理性をも感じ、ふと帰宅後には以前よりも膝の疲労を感じると、その背景にはスイープ時の膝も一層有効に活かされている証しだと直感したが、その布石こそが、この所の改正箇所となって、やっと今回で一通りの部品が揃った正式な練習として成立して楽しみも増す一方だ。