見ているだけで釣りをする人は稀。
お昼の休憩を終える他の釣り人は皆退散し、とこちら側には自分と自転車屋氏だけになっていた。一方、対岸には車が多いものの釣竿を出しているのは2人程で、後は様子眺めしているだけだった。闇雲に釣りはしないのだろうが、週に一度しか来る事が出来ない者はそうは行かない。与えられた時に釣りするしかない。
本来ならば空いている対岸に移動したかったのだが、相変わらず東よりの風が吹いているので、対岸からでは逆風となってフライでは特に不利となる為こちら側で粘る事にした。
心配された氷雨もどうやら降っては来ない様子なので一安心なのだが、この減水には正直、釣れる気がしなかった。
空がやや明るくなって来たので、ナチュラル系のフライに結び変えてまたもや16ftを持ち出した。自転車屋氏はずっと下流へ行くというので、自分は再度、下の核心部からやや上より立ち込んで行く。再度、水温を計測するが相変わらず11℃のままを示していた。
ワンパターンの釣りに終始しないように、キャストしてそのままスイングしたり、縦誘い、リトリーブの速度を変えたり色々と織り交ぜながら釣り下って行くのだが、やはり何の反応も無いまま、ただ時間だけが虚しく過ぎていくだけだった。
撮影者:自転車屋氏
更に釣り下って流れが淀みかかった所に到達すると、コカゲロウや小型のチラカゲロウ、トビケラ科の水生昆虫が流されながら数多く羽化しているのにようやく気が付いた。長い間、ドライフライの世界から隔離され、すっかりフライという物の大きさへの感覚が麻痺してしまっているが、大きさは#18~#16位だったのだと思う。
そういえばドライフライでの釣りがいい季節にもなって来ているのだな、という意識がふと蘇って何か懐かしさの様な思いが湧き上がっていた。
フライフイッシングという世界では不思議とこういった場面に遭遇すると、ライズが始まるのでは期待してそれらの昆虫に 「 喰われろ!。」 と心の中で叫んでしまうのは世の常といっていいだろう。
当然、自分もその時に何かの魚達の反応があるのではと周囲を注意深く観察するのだが、ずっと下流を見渡しても水面は全く静まり返ったままに、この日の釣りも終焉を迎えようとしていた。
このロッドにはとても不釣合い。
こちらは抜け殻を持ったままのチラカゲロウ?、
それともマダラ系か?。
全く、詳しく有りません。