先日は久し振りに利根大堰下流で釣りが許される最上流部付近へと足を踏み入れると、5月の最終日でありながら未だマルタの産卵が見られた光景は以外だったが、この地点から下流を見渡した川は改めて平坦化している様を益々露呈し、台風等による増水によって流れ出る大量の土砂は一時的で急激な水量の変動から川の一定箇所に堆積して中洲の形成に至り流れを大きく分断させ始めた段階が既に運の尽き・・・。
こうした中洲は水面上には現れない場合でも浅瀬として残り、その周辺には更なる土砂を堆積させて成長を続け、流れを幾つも分流させる “ 三角州 ” のメカニズムとして川の幅だけは広がる一方、その地形は水路の如く平面で浅い為、ここに住む魚を始めとした全ての生物が身を隠すにも困難であるから、助成金を目当てに内水面の漁協らが仮に公表される数値通りに大量の岩魚や山女魚を放流した割には、その成果は一向に上がらず、ここにも多くの税金が無駄に投じられていると言った図式が長年に渡り繰り返されているから、本来ならば魚を放流する前に河川の整備を目指すべきなのだが、そんな試みは極一握りの一部でしか聞かない。
斯くして、本来ならば唯一、鱒族が潜むに相応しい箇所であり一瞥する限りでも大石によって白波が立っている反面、実際の水深は著しく浅い事から、可能性があるとすれば川の中程付近まで分け入り、複雑に入り組んだ幾多に流れる筋少が再び合わさり少しでも深みを増した地点が核心部としても、至近距離が苦手な16ftでは釣り開始後の暫くは水面上に頭を出した石によってアンカーを打つ場所もなく暫く振りにオーバーヘッド・キャストに頼らざるを得ない場面との遭遇しながらも、ここでは運良く銀色に輝く30cm程度の魚がチューブ・フライに食らい付いたが、後にトラブルの原因を招くランニング・ラインをリールへと収めている間に逃げられてしまい、幾ら小さいとは言え相手が渓流からの化身らしきであれば滅多にお目に係れず、些か雑な扱いだったとして密かに悔いているから、次回はシングルハンド・ロッドも登場させるかも知れない・・・。(笑)