半年程前に触れたオーバーハングの作用ではシュートの最後にロッド・ティップが下へ垂れ下がる動きを吸収させた結果、ナロー・ループとして現れるとしたが、今回これ以外の効果を考えると、先ず10mのシューティング・ヘッドをキャストする際に、オーバーハングが1mと3mとで、それぞれがランニング・ラインを引き出して飛行する能力が仮に同等だったとするならば、元々オーバーハングが2m分長い状態から飛ばせば飛距離で勝ると、これらはロングベリーラインのキャスト等と同じ側面を持ちますが、これらよりも更に特徴的にして重要な面が “ 遠心力 ” の応用にあると感じてしまう。
これについては、多くの方がご存知の通り、遠心力は回転半径の長さに乗じて増大させ、この際の回転半径がオーバーハングに該当する事から、可能な限りの長いオーバーハングはシューティング・ヘッドを一層遠くまで運ぶ能力を秘め、これらを他の釣りへ例えるならば、仮にスピナーと言った軽量なルアーではトップ・ガイドからラインを長めに設定してキャストすると重量の不足分を一定の範囲内で補う等としても既に広く知られている。
そこで、
遠心力の計算を行うサイト から、仮に 25g の物質を回転半径(オーバーハング) 1m と 3m から回転速度1rpmから算出した場合の数値を比較すると、1mのオーバーハングでは遠心力が0.100642 kg重、接線速度は22.6195 km/hとの試算結果であったのに対し、3mは遠心力:0.301926 kg重、接線速度は67.8584 km/h と、そのまま3倍へと跳ね上がる。
更に、この作用はスィープからDループを生成させる際 ( 画像の③~⑤ ) と、シュートの最後にロッド・ストップによってティップが下へ向かい始める際に生じた回転運動 ( 下の画像 ) と、3倍作用の恩恵を2度も得る結果となり、これらは長い線状のフライラインに対する学術的、或いは数値的にも全て当て嵌まらないとしても、少なからず一定の効果が働いている点は確実と言える為、オーバーハングを設定した状態からシューティング・ヘッドを飛ばす際には、その長さに応じてフライフィッシングたる本来のキャストと共に、オモリやルアーを遠心力等によって飛ばす面が混成していると考えている。
と言う訳で、以上は物理学等にもお詳しい方より、ご指摘戴き遠心力では無い可能性が極めて高く、単なるネタとお考え戴きたい・・・。(笑)