季節は桜の咲く頃から、新緑の季節へと移り変わっている関東は一時期、暑さを覚える陽気から一転し、近頃は曇りや雨の肌寒い日が多く、先日も早起きが億劫で毎度の利根川へは今回も午前9時頃に見渡す一面貸切り状態の深谷地区へ到着。
気温11℃、水温は10℃。下流から吹き上げる南東の風は風速2m程でも身体が冷えると考え一枚余分に着込み、今回はログネスを一本だけ担いで重点箇所の奥底を探っていたが、流れの中からは一切の生命反応がないのも何時もの通り。
やがて、流れも緩み始める地点へと差し掛かると、丁度、薄日が差し水面を漂う小型のトビケラが目立ち始め、ここからドロッパー仕掛けへと交換しては狙いを表層に絞っても結果は同じく、その怪しい様相とは裏腹に毎回、頑なに沈黙を守り続ける箇所として、瞬く間にお昼を迎えてしまう事から、やはり本来は早出したい所ではあるのだが、こうした気分に今一つ至らない理由としては、本命の魚が現れる時期には早い事にあるのだと思う。
そこで、本命の魚とは一体なんぞや、と言えば、この固有名称も昨年までは使用を避け続けて来た “ 利根マス ” と呼ばれる降海型の山女魚で最近ではルアー釣りの雑誌で騒がれた事も手伝ってか “ サクラマス ” と呼ぶ人が圧倒的に増えているものの、東北や日本海側に見られる大型とは殆ど無縁に近く、また稀にある例は殆どデマか捏造である事から、先人達は古くから敢えて “ サクラマス ” とは別に “ 利根マス ” と称して来たのだろうが、サクラマスが遡上する南限がここ、利根川との学説もあるらしく、実際その線引きは難しく更に “ 戻り山女魚 ” やら “ 遡り山女魚 ” とも呼ばれる場合がある上、平野にも係わらず幼魚斑を持つ普通の山女魚も見られ、益々ややこしい謎多き魚達・・・。
そして、何れにせよ、これらの魚は地元の方々でも釣り上げるのは至難の業と聞くも、運良く今回、その一族と遭える事が出来たが、この詳細は後程で・・・。(笑)