先日の本流も過去の二度と同じく乾燥した大陸からの高気圧に覆われた概ね青空の広がる一日ではあったのだが、幾つかある相違点の中に午後からは下流寄りの風へと移り次第に穏やかな傾向にも変わると夕方の5時頃からは珍しく無風に近い状態にまで落ち着いていた。
こうなると、辺り一面の何処かには魚達の営みが見られそうな雰囲気に包まれ始めていたものの、こんな時に限って最近では頻繁に見掛けていた羽虫は何故か極僅かしか見られず、これで昨年までの本来に近い様子に戻ったと思っていたのだが、暫く経過すると少し先の水面にパシャン!と波紋が浮かび上がり、一瞬誰かが小石かルアーでも投げ入れたのかと、つい返り見ても勿論、誰一人居らず明らかに魚の仕業以外は考えられなかった。
しかし、この後が続かない上、その魚の大きさは精々30cmがやっとだった判断し無視を決め込んでいると今度は40~50m先の下流にゴボッ!と言った衝撃的な音と共に水飛沫を上げたヤツが居た。
恐らくコイツは50cm程ありそうだものの、ここで気になるのが魚の正体で大きさや平野部という場所柄では真っ先に思い当たるのが鯉ではあっても、それにしては捕食行動が大胆で恐らくは虹鱒と考えるのが普通で、この場合には本命からは外れてしまうが、正体を確かめたい上、やはり釣り人の性が働いてしまい早速ラインを一旦回収し表層仕様のヘッドへ交換していた。
それにしても、一体何を食べていたのかは皆目検討が付かない。相変わらず幾ら目を凝らして周囲を見渡すも大した虫は見当たらず1~2度小さなカゲロウを目撃した程度だったが、先程の大胆な行動を考えると更に大きな虫を食べていたと推測し、定番中の定番となるマドラーミノーに結び変えて釣りを再開していると手前の小さな魚が再びライズしたものの、既にその箇所はログネスで直接頭を叩ける程の位置にまで迫っていた。(笑)
その後、下流に居た大きなヤツは今一度だけ同様の捕食行動を見せ、徐々に躙り寄りやがて、その地点にフライを通過させても何事も起こる事も無く、帰り際まで暫くは注視していた視界も静まり返ったままだったが、イブニング・ライズにマッチ・ザ・ハッチと呼ばれる多くの釣り人を夢中にさせるフライフィッシングらしい釣りを久し振りに垣間見た途端、 「 コリャ~、確かに面白い!!。」 と感じ、何だか癖になりそうな予感もする。(笑)