確実に春が近付いた。と思えば、またしてもやって来た南岸低気圧。これによって関東全域には予想以上の雪が降り積もり、その後は最高気温が20℃を軽々と上回ると白墨の景色も急変し、溶け出した雪は一時的な雪代へと変わり、近頃の河川は何処もこの時期としては珍しく水量も豊富と魚達を目覚めさせ巣離れを促す絶好の機会。そろそろ関東南部の河川には赤と黒の帯を持った遡上魚が訪れ、やがては砂礫の本流にもやって来る頃だろう。
こうして低気圧が過ぎ去った後の関東は、一見した限りお魚釣りには良い条件が整っている様には見えても、実際これらは人間が都合良く捉えた視点に過ぎず、気の早いヘラブナ釣り師の竿も一向に曲がる様子もなく、ウグイのライズが目当てらしきフライ釣り師も直ぐに諦めていたのはカルガモが盛んに泳ぎ、宣誓を謳い上げるウグイスの澄んだ声が高らかに響き渡る通称 翠の洞 でも更に水位は上がり、遅いながらも確実に流れを伴っていた。
ログネスを使った左のキャストは三次元動作の意識から開放すれば前回よりは更に向上し、右のキャストと比較しても遜色ない水準にまで仕上がって来たのだが、問題としては開始直後が全くの滅茶苦茶で正常化するまで20~30分の投げ込み時間が必要とされてしまい、このキャスト感覚を取り戻す鍵となっているのが前後の重心移動で左右の足を前後へ広めに空け上体を前へ後ろへと意識的に倒す様にして動作していると回復するのは、実は左右の重心移動を消し去る意味合いも含む。
腕を高く振り上げるスィープ動作は全く邪魔な左右の重心移動を引き起こし、その結果、横へ移動した重心が再び元へ戻りながらシュート操作へ移る事となりロッドには湾曲した様な軌道を与えてしまい、これを殊更引き起こすのが三次元の動作でもあるのだが、今回の障害となったのは深く立ち込んだ体勢に加え、ランニングラインをハンドリングした際は乏しい水量に流れも全く薄れる冬場の練習ではどうしても疎かになってしまい今回も定例の様に呆気なく崩壊し再び冬へと逆戻り。(笑)