今年も残す所10日余りと迫っているにも係わらず、事もあろうかログネスによる右のキャストは次第に調子を崩し、この原因に関しては左のキャストやらシングルハンド、反転式等と改善点が多く脳内細胞がオーバーロードを起こし思考回路も暫く停止気味だったが、先日の映像から漸く整い始めると単に調子を崩した訳ではなく、自ら招いた事態だった事が鮮明になったのは背後から撮影したシングルハンドの映像を見た時だった。
そもそもは未だ暑さが残っていた頃に大凡の出来具合としては納得していたものの、ヘッド配置以外にシュートでは右の肩から突っ込む様なフォームが気に食わなかった事も切っ掛けで、これも今にして思えば幾分 “ 一本背負い型 ” が加わった動作で然程悪い習慣でもなかったが、軸となる胴体の延長が折れ曲がる姿勢はどうしても個人的な好みからは外れる事から、背筋を真っ直ぐと延ばしたままのシュートに微修正していた件をすっかり忘れ、どうも近頃は以前の様なキャストに至っていない原因までも少々勘違いしていた。
この一つはスィープで、これにはDループの判断基準と言うか、良し悪しを見定めるタイミングが曖昧だったのは、要するに正確な理解が出来ていなかった事に尽き、結局は理想的Dループを決定付けるのは、もう一つの原因としたシュートする腕の軌道にあり、ロンチポジションから一旦は縦に構えたロッドを態々斜めに振り出してしまう点で秋のスペイ・フェスティバルでCNDの野寺氏がネス・スタイルには三次元の要素があると例えたのは具体的に何を指していたのかが見えた様に感じた。
オーバーヘッド・キャスト、ロール・キャスト、スペイ・キャスト、これらには実に様々な複雑な要素があるものの、大凡の原理とロッド操作の描く線を物理的に例えるとオーバーヘッド・キャストは前後の動作によってラインを飛ばす事から “ 前後の一次元 ” 、次のロール・キャストはロッドを上から下へ振り下ろす “ 上下の一次元 ” 、最後のスペイ・キャストは スイッチ・キャスト か 通常の斜め振りスペイ とするのが正しいかも知れないが、この場合ではラインを前から後ろに引きつつ、最後は下から上へ上昇させる為、 “ 二次元 ” の要素を持つと表現出来る。
そして、三次元では 幅 、 奥行き が加わり、この操作を再現させているのがロッドを頭上垂直付近に振り上げる動作で、これによってラインは上昇と同時にこちら側へ近付き、背後から見ると捻れて巻き込む波の様な動きくDループが形成される事を指し示しているのではないかと考えているのだが、この 三次元曲線 を描いたDループが正常に作動するのは、この位置を維持したままロッドを真っ直ぐと振った時にだけに限られ、先の失敗原因の如く斜めに振ってしまうと再び 二次元 の状態に戻ってしまい失速する。
以上の内容は飽く迄も極端な例えではあるものの、最近は三次元目の曲線が発生するメカニズムを誤解しスィープに囚われ過ぎていた印象だが、殆どは斜めに振り下ろしてしまう事が原因だったと考えを改めている。