大陸より日本海を渡った一級の寒気によって列島中が凍える最中、通常ならば北西の季節風が吹く筈の関東は南岸に接近した小さな低気圧の影響を受け東寄りの風が強まると気象庁は予報を軌道修正した事によって先日の練習場所も急遽変更し、風裏に当たる通称 翠の洞 を凡そ一ヶ月振りに選んでいた。
この夏から訪れる見慣れた景色は既に紅葉の季節も通り過ぎ、葉の抜け落ちた透けた木々と淡く枯れた草木が冬至間近の太陽に低く照らし出されると薄っすらと眩しく、この季節は何処へ行ってもラインの視認性が鈍る事を示し、少々期待外れだったが、それでも近場の川原に比べると断然条件は良くシュートから放たれた後の乱れるラインの様子は十分確認出来、この所、練習する時間が少ないシングルハンドも課題がまだまだ山積している事も解り、やれスィープがなんやら、フォールのタイミング等々とほざいてはいても、根本的にシュート時点で手振れを起こした結果ロッドティップを乱しており、結局は縦に振り下ろすだけの単純な操作が振り抜いた日本刀からスパッと竹を斬る正に “ 居合い ” にも通じる難しい面だと感じ、一投一投 ” 真剣 ” を扱う位の集中力、精神力にも欠いている様に思える。