現在、シングルハンド、ダブルハンドと上から振り下ろす大根切り打法の様なフォームは、一見荒々しくも乱暴で大雑把なに見えたとしても実は技術的には高く、昔の斜めの腕から低く突き押していた頃のキャストは遥かに粗悪でキャスティングの好み、参考にしたキャスターも次々と移り変わり、これらをCNDのDVDにエキシビション出演した外国人から今更ながらも挙げると当初はMr.ピーター・アンダーソンに始まり、次はMr.ゲーリー・スコット、そして今、最も凄いキャストだと思えるのは当時では異様にして異質な存在にも感じられたキャロンのMr.ジェームス・チャマーズと言った具合で丁度これは登場する順序と見事に一致してしまうのは全くの偶然とも思えず製作側の張本人でもある野寺氏にも何らかの意図が隠され、実はスペイ・キャストにおける進化の過程を表現した出演順だったと思えるのは実際、Mr.チャマーズの 薪割り から打ち出されたラインのスピードは郡を抜いて速くも、アンカー抜けも多い諸刃の剣と言えるが、この失敗もアンカー抜け寸前でシュートする狙いもあったのではないかと考えつつ、今では何の話題にも上らない古い映像を未だに見る機会がある。
こうして、現在目指すフォームの根幹は元々スコット氏にもあり、特にグリップの長いログネスがこれに該当し、アンダーハンド・キャストを基礎としていた筈のシングルハンドも今ではチャマーズ氏のフォームを参考にし、この2人に共通しているのは垂直に振り下ろすシュートである事からロッドを頭上まで振り上げる点で大凡の違いでは高低差である訳だが、何れにせよ、この頭上まで振り上げる動作が中々の曲者でアンカー抜けを引き起こす厄介な元凶ともなっており、この防止対策として生まれた?とも思える程のペリーポークですらも9mヘッドが仇となってしまい他とは全く別の難しい側面がある。
しかしながら、この厄介事を一変させる境界はウェーディングの状況でもあり、膝程度でも水に浸ればキャストは随分と楽になり、更に腰まで浸かると一層楽・・・・・となる訳ではなく結局は難しいものの、ロッドの位置が高い分、他のフォームからは圧倒的に有利ではあるのだが、ここにはキャスティングの技術とは一線を画す別の一つ条件があるのはヘッドの配置、つまり折り畳みの箇所、形状を状況に応じて変える必要がある。
斯くして、纏まりがない内容は先日、右の反転式も同じで、先の件等からも頭が混乱し、シングルハンド、ダブルハンドとヘッドを正面寄りと同時に幾分遠ざけた箇所に配置させてはアンカー抜けが続発していたのだが、これによって思考に整理が付き、結局は従来通りの方策で正しいと認識出来た・・・・と信じたい。(笑)