届きそうで届かない・・・。
解っていても出来ない・・・。
こんな膠着した状態が続いた練習の内容にも遂に終焉が打たれ、7月も最後となった先日の練習日で既に日々のシュミーレションたる素振りであればシングル・スペイの動作は左右共に完成の域に達しており、ここに残った唯一の懸念材料たる実践の練習による摺合せに作業を経てジェラルドの基本動作は全容の殆どが解明へと至ったと感じられ、残るはスイープ以降の僅かな操作に限られた。
今考えても、その多くは、ある種の方式にも感じられる一定の原則に則した内容を忠実の守りさえすれば、後は一定のリズムから間合いを損なわない限り、大崩れしないばかりか、多少の崩れでは過去と比較すればソコソコの結果が出てしまうから、この辺りもジェラルドの動作方法と、そのパターン原理は実に良く出来た空手や合気道の “ 型 ” を連想させ、ここからシュートした際は今の練習を始める契機を作ったジェラルドの映像に見られるラインの様子と一致して、ターンの後半はラインが更に一延びするとは、まるでラインの初速と終速の差が少ない江川 卓や藤川 球児が投じた打者の手元で浮き上がる速球へと通じるとの表現は如何にも大袈裟 とは言え、これも満更、大袈裟ではなく、通じる面も存在する。
野球の投球で初速と終速の差を埋める鍵はボールが飛ぶ際の回転と言われ、これをフライ・ラインに置き換えた場合は捻じれとなるだろう。
この捻じれは過去にも幾度なく記述した通り、フライフィッシングのキャスティングにはオーバーヘッド・キャストでも絶対に避けては取れない厄介な現象とは言える一方、実はフライ・ラインたる細長い物体を遠く伸ばして飛ばすには有効な作用でシュートの際にロッドに対し捻りを与える人も少なくはない筈で、この際の捻りは最終的にラインに捻りを与えているから、その効果は少なくとも水面下では既に実証済みと言っても良い筈だ。
そして、スペイ キャストに於ける捻りも最早、常識の話しではあったものの、これを意識してスイープの段階から積極的に利用しよう・・・、こう考えたキャスターが世界中に何人いただろうか・・・。
この捻じれを増幅させるスイープとして、ここ暫くに必要とされた脳内に思い浮かべる “ バック・ドロップ ” の感覚はリフトの見直しによって既に過去の出来事となると、その集中はリフトからスイープへ移る瞬間だけに注げ、気持ちにも余裕が生まれて精神的な疲労感の削減にも繋がり楽になった。
斯くして、3年半にも及んだ目標に一つの節目を迎えてメデタシ、めでたし・・・、と一息ついてホッとしている。