一昨日、友人の朗報によって予定よりも1ヶ月以上も早くあの場所での釣りをする事になった。
まあ、どうせ釣れぬだろうとは思いつつもあの話の内容では期待してしまう。
朝起きると天気予報が益々悪くなっているのが気に成った。この時期の雨は活性を低下させてしまうからだ。
案の定、出発する頃に雨が降り出したが幸い小雨だし、それほど冷たい雨ではない、東よりの冷たい風が吹くよりはましだ。
AM9:20現地に到着。気温は7℃、北西の風1~2m。取り出すロッドを一瞬迷うがやはりアレだよな、ARC1409。
実に丁寧な作りのフェルールは自分が今迄所有してきたロッドとは明らかに違う、何か茶筒の蓋を閉める様にスッと空気が抜け、4本の棒が1本採りの竹の棒になりスムーズに、しなやかに曲がる。
ラインもやはりあれ10mにした13番タイプⅠを試さなくては、一応?用意したフライは3cmに切断した真鍮(ブラス)チューブを取り付ける。
川辺へ下ると水位は増えている(14.49)、水温は7.5℃。この天気だと釣り人はおろか全く人気が無い。でも他にも狙ってるヤツがいた、この辺では珍しい
アビ科の水鳥だ。
何投かする内にこのロッドの良さが分ってきた様な気がした。単純に自重自体は軽くは無いのだろうが投げていて軽く感じる。
また竿先でアクションを加えた時のティップの収まり方もこれまでの竿なら”プルッ”収まるのと違って”スッ”とロッド自体がその力を吸収してしまうう感じだ。KⅡ14ftの様な”スパッ”というシュート力は無そうだが、実に気持ちのいい竿だ。皆が良いというのが頷けたし、やはりいい物はいいのだなと納得した。
きっとキャスティングからフッキングそしてランデイングまでを総合して考慮したロッドなのだろうと勝手に思った。
ラインはやはりこの場所の様に腰まで立ち込む釣りでは10mがいい。正にロールアップもフォルスキャストも要らない。基本的な長さはこれで決着する事にした。
さて肝心の釣りはさっぱりだ。魚っ気も全くない、沖合いで狙っていたアイツもいつの間にか姿を消していた。銀毛の一群だとすれば既に下ってしまったか?、天候の悪化で活性が低下したか?、単に自分が下手なだけか?。午後雨が止んで西の空が薄っすら明るくなった時はふと釣れそうな気がして心臓の鼓動を感じた。
この感覚も久しぶりだったので妙に懐かしく釣れなくとも心地良かった。それに何といっても他に誰も居ない事が自然と調和したかの様だった。
そして今年もあの「全く釣れない釣り」が開幕してしまったのか。