どんよりと寒い曇り空が続いた関東へ、凡そ6日振りの晴天が訪れた先日、またも山沿いの河原までやって来た。
今回も最大の課題はシングルハンドのフォーム矯正で既に毎晩の素振りならば無意識にオーバースローでシュートしているものの、やはりロッドにラインが通ってしまうと何か窮屈な感覚が残り、どうしてもスリークォーターから抜け出す事が出来ないが、オーバースローでやや 振り下ろし気味 で生まれたループは回転が滑らかで、本来のこうした操作こそフライフィッシングにおけるキャスト動作の基本にして最適な方法であったと散々遠回りして気付かされる。
低い位置から突き出しに徹した動作によって生まれた直線型ループは初速が速くても鋭利な先端部は回転がギクシャクし終盤には一気に押し潰され急失速してしまう様な印象からは陸上競技の短距離ランナーを連想させる。
ところが、高めの位置から最後には振り下ろす回転型ループはラインが真っ直ぐ延びるまではタイヤが転がる様な
遠心力 慣性力 を持続し、中・長距離ランナータイプとも思える。これは向い風をくぐり抜けるのには前方投影面積等によって不利だったとしても無風から追い風の状況下ではトラブルも少なく、また飛距離でも有利だった。
よって、これら両方のループを状況に応じて投げ分け出来るのが最善にして最高のキャスト技術だったにも係わらず、これまでは基本の回転型ループを度外視して細く直線的なループを作り出す事ばかりに拘り過ぎ、結果的にフォームをも崩して行ったのかも知れない。
こうして朝の感触で右のキャストに関しては大分 縦 に振る癖を植え付けられそうだが、ここで役に立ったのが自分の影。
最初に訪れた右岸は南~西側が広く、身体を幾分上流へ向けると太陽を真後ろにする事が可能で、ここから操作の始まりこそラインを見ていても途中からは自らによって映し出された影によって動作を確認する事が出来たが、これによってスペイキャストの基本を噛み締めていた。
動作としては、縦に始まり、その途中から一旦横 ( 斜め ) へと展開し、最後は再び縦の動きに戻ると言った基本的な要件も、全く恥ずかしながらこれ自体も滅茶苦茶になっている感じがする。
始まりのリフトは縦に操作し、スィープから横の動きでロンチポジションへと移り、アンカーは飽く迄も横から着水させた後に、シュートで縦へと変換する訳だが、縦の意識が先走りしてしまうからアンカー切れが発生したりする。
崩した動作を矯正するに色々と難しい事を考えてしまったものの、動作としてはオーバーヘッドキャストで言うベルジャン・キャスト風であり、背後のループが水面に接しているのか、それとも大きく空中へと伸びているのか程度の違いと仮定し、スィープした後は手首を耳の付近に立て、そのまま真っ直ぐにシュートを打つ。
次回は、単純にこう考えて練習しよう。(笑)
※ 2012.7 物理にも詳しい方のご指摘により、三字抹消、三字加入。