先日の練習では左の反転式でも更なる進展があった。
先ず一つ、これは以前に気付いていながら最近は忘れていた事で、ラインの折り畳みからスイープする操作迄はビシッと動こうとすると失敗し、寧ろ意識的にダラダラと行うといった感覚を思い出していた。
ダラダラという表現は適切ではないかも知れないが、不自由な左のキャストとなると各動作を確実に実行しようと力んで肩にも力が入るのがそもそもの原因とも考えられ、 よって、ダラダラというよりはスッ、フワッといったソフト・タッチで操作するといった表現の方が近いのかも知れない。
そして次、これが今回新たに気付いた事で右のキャストでは無意識に行っており、誤魔化しや微調整といった意味でも非常に重要だったと解ったが、これは良く考えて見れば実に簡単な事柄でもあり、単にラインの動きを確認する事、つまりはラインを ” 目で追う ” 所にあった。
これまで左の反転式では動作や操作ばかり気を取られていたが、どうやって上手くラインを操作していたとしても毎回毎回寸分違わないライン操作等は有り得ず、時に畳んだラインが奥に行き過ぎてしまったり、手前に寄り過ぎていたりといった場面に遭遇する。
こうした場合にはスイープからシュートするタイミングを微調整する必要があると予め解ってはいるも最終的には目視から判断する必要があり、これらを右のキャストではラインの動きを “ 目で追う ” 事によって判断していたと今更ながら気付いていた。
とても単純な事ではあったが、左ではこの点に欠けていた為、殆ど勘だけが頼りの不安定なキャスト、よってスイープの後は目を閉じてキャストしていたのと同じだった訳で何故か二段反転式の方が安定していたのは最初にラインを置く位置に注意する意識が働き自然と目視していた様にも思える。
これは正直、気付くのが遅かったが、スイープされたラインを目で追うと左の反転式は更に安定した。
また、目で追うといっても首を振って覗き込む必要は無い。200度あると言われる人間の視界、その中には範囲視力というのもあるらしいが、眼球だけを動かし左下の片隅に飛び込んで来たラインを確認するとシュートのタイミングを早くしろ、遅らせろといった指令が脳幹から発せられるのが感じられる気さえするから実に不思議な感覚でもある。
それにしても随分と長期間に渡って続けて来た左の反転式だったが、今回の一件で暗い洞窟の先に眩しく輝く出口が開き始めた様にも思えていた。