東京でも最高気温が18日間連続して10℃を下回ったそうだったが、それは先日の練習日で途絶えた。
当日はこちらでも比較的朝から暖かく、日中の最高気温は12℃程、これは3月上旬から中旬の陽気だったらしいが、朝の内は季節風がやや強かった事もあり、3月の陽気とは、まだこの程度なのかという気もしなくはない。
ここから、何時もの練習場所から少し下り崖下にある僅かな風裏に逃げ込んでシングルハンド・ロッドの練習に入ったが、やはり風はここにも吹き込んで来る為、重点課題であるダブルスペイの練習には向かなかった。
そうなると、相変らずリフトから着水する際にラインが暴れるとスイープ可能な状況には至らず、先ずはこれを少しでも改善する方法を模索していた。
風になびいて暴れるという事は、当然先端程大きく作用してしまう。おまけにテーパーという形状を持たせたフライラインは先端に向って軽く設計されている為に一層暴れ易い。
そこで、リフトする際に先端の1m程を水面に着水させたまま丁寧に手間へ引き抜くと比較的ラインが暴れる事も低減されて真っ直ぐに着水する傾向にあると解かったが、ふと気が付けば正にこれも
“ First Anchor Position.” そのものだった。(笑)
今迄これが関係するのはシングルスペイのみだと思っていたが、実はこんな所にも応用が効くというか、いや、もしやダブルスペイのリフトであっても同様に行うのが当然だったのかも知れないが、殆ど我流を歩む者としてはそんな極普通の常識すら知る由も無く、鮎の友釣り、まるで九頭竜返しの如く豪快に引き抜いていた為、風が吹けばラインが大暴れしていたのだ。(恥!)
こうして、 “ First Anchor Position.” は風にも有効であると知り、久し振りに十分な練習が出来たのだが、まだまだ理想からは程遠く、スイープ時のホール開始は合い始めていると見られても、その動作が大き過ぎる。
毎夜の素振りでは、スナップを利かした感覚で小さくホールする動作を繰り返していても、やはり実践では腕全体が動いてしまい前回同様に何故か脇が開きシュート後にテーリングを発生させてしまう始末だ。
どうにも不思議ながら、左右の腕が上がっていたりもすると何か連鎖反応する様な傾向がある様でアンダーハンド・キャストのスパイラル・リフト?の練習でも手をぐるぐると回していたりすると、もう片方の手も何時の間にか勝手に廻っていたりもし、人間の脳細胞、それとも神経組織だか何かは分からないが、左右の腕を準備させた状態から、それぞれが違った動きをするのは苦手というか非日常的な操作でもあるらしい。
これと同じく、スイープ時のホールを意識するあまり左腕全体が大きく作用してしまうと、左腕もこれに連鎖しロッドを大きく振り上げてしまい脇が開いて肘の位置が上昇し、この状態からシュートする事によってロッドを始めから振り下ろす格好になりテーリングを誘発していると思われた事から、次に左の脇をギュと固く締めたままスイープすると今度はホールが上手く行かないといった症状だ。
そうなると、フライフィッシングのキャスティングとは身体の奥底を司る感覚に対し、非常識的な動作を叩き込んでいる様にも思える。