またしても本流に来ていたが前回の右岸から、今回は朝の通勤時間と重なり渋滞に巻き込まれ、左岸に来てしまった。
昨年の台風9号から置き去りにされた大量の砂は、豊かな水辺を砂漠の如く覆い尽くす。
既にこれは毎年恒例にもなり始めているが、何か年々と堆積する量が増している気がして成らず、浅く平坦に移り変わる川の行く末が心配される。
正月の休暇から連日の如く練習してしまうと、些か集中力を欠いた傾向にあったシングルハンドによるキャストも数日が経過し、心機一転、再度一から出直すべく左でも二度のホールを行う事を重点に置いた。
右岸でダブルスペイを行う場合、通常であれば右でキャストするが、これを左でキャストするには一旦上流に向ってラインを延ばしてスイープしなければならず、やや流れの速いこの場所では更に難易度が増してしまうも、幸いにして背後の下流寄りから吹く微風に助けられた結構になった。
それでも、当然出来る訳がない。
既に毎夜の素振りでは普通に機能していると思われるが、実践とは全く異なる。
左腕と右腕は連動もせず、それぞれ別の動作をし、かつ絶妙のタイミングで作動させるのは難しくスイープ時のホールは逆に仇となってシュート時にラインがグシャリと崩れ落ちる。
しかし、これは既に覚悟の上で練習していると意外と落胆する事もなく続けられ、やがては何やら出来つつある様な気配であったが、正確には果たしてこれがダブルホールとして成立しているのかが、左ともなると当人にも良く判断出来ず、シュートの度に、先程はスイープ時にもホールをしていたのだろうかと考え込んでしまう始末だ。
それでも、スイープ時にも右手は何かしらの動きをしようとしており、飛び出すラインの形状はもう一つでも、その勢いが増している様に思われた。
となれば、予想外に早く習得出来るかも知れないが、元々は全てを纏めて一遍に練習していた事がそもそもの間違いで各段階を経て行うべきだったのだろうか。