駄目だ、また悪くなった。
下腕を利かせるキャストに改良中だった左の反転式は、先週の練習で前進したかの様に見えた事から、今回の練習からは更に無駄の無い小さい動作にするべく次の段階に取り掛かっていると、何故か従来の上腕だけで押し込む全く元の状態に戻ってしまい結果的には “ 一歩進んで二歩下がる。 ” といった印象で一日を終えてしまった。
朝の内、小さい動作、必要最小限の動きに囚われ過ぎたか前方への送り出しが不足して上手くスイープ出来ず、これに気付くのに随分と時間を要し、これでやっと先週の大振りでも下腕を利している状態に戻すと今度は下流から風が吹き始めてしまい反転式の練習には酷な状況になると、ここが元凶の始まりだったのだろうか、どうも嫌な予感がしていた。
気温の低い朝では、冷たく濡れたランニングラインを掴んでキャストするのは指先が冷えて麻痺してしまい満足な練習にはならない事から、本来は気温の上昇するこの頃から本格的な練習に入る所だが、この風で止む無く右のキャストやシングルハンド・ロッドでのキャストをしつつ、時には左の反転式でも上流に向ってキャストをするも、これではランニングラインのトラブル続きで練習に集中出来ず、ランニングラインは流したままの短いシュートを繰り返したりもしており。これも悪かったか、夕方になり風が止むも時既に遅く、最早対応が困難になっていた。
しかし、これらも良くある事で、先週の段階では大きい腕の振りであるから、下腕を引き付ける事が出来たのかも知れず、或いは一見前進したかに見えても実は進歩では無く、単なる幻影か “ まやかし ” だったのかも知れない。
良くある映画や漫画の世界では、主人公が何らかの “ 技 ” を習得する為、過酷な訓練を重ね一度でもその “ 技 ” に成功すると完成した事になるが、現実の世界となってはそうはいかず、何時でも誰でもが、やっと出来た程度では、その次にも出来るとは限らない。
また、シングルハンド・ロッドでのダブルスペイも相変らず大した進歩が無い。
シングルホールに徹した事によって、従来よりも安定して動ける傾向にあるが、細部にはまだ問題山積で、その最たるはホールのタイミングが合わない。
やはりフライフィッシングのキャストは何でも難しく、これらはどれを採っても立派な “ 技 ” と言える。
こうした利き腕で一つのキャストを覚えるのも難しいのに、選りによって左右で幾つものキャストをこなすのは並大抵ではなく、おまけにその実演者も才能の欠片も無い只の変人だ。(笑)
と、少々暗い内容になりましたが、これで年内最後の更新となり暫くは休止致します。
本年中、ご覧頂有難う御座いました。
どうぞ良いお年をお迎え下さい。