ダブルハンド・ロッドによる左の反転式でもシングルハンドのダブルスペイに同じく、どうもスリークォーター気味でキャストしてしまう事があり、これはただの素振りであっても同じ傾向が見られた。これはスイープの動作にも原因があるという事までは解ってはいたものの、具体的な改善策となる腕の操作が、もう一つ理解してはいなかったのだ。
右のスイープは何か極自然で楽な動作だが、左では何か不自然で窮屈、そして行っていても疲れるというか違和感をも覚える。この差は、単純に利き腕との違いだけとは思えない。
こうして夜な夜なの素振りを繰り返していた先日の夜、鏡に向かい左右から同じ操作を繰り返している内に、ふとこれらの打開策が見えた。それは下側になる腕、アンダーグリップの使い方に違いがあるという結論だった。
右では、ラインを折り畳んだ後の操作はアンダーグリップを握った左手でグルリと回す様に行っており、正にこれは方向こそ違うもののアンダーハンドキャストで言う “ ハーフサークル ” に見えた。
早速これを左の動作でも実践すると実に楽。これによって極自然な動きとなって、ロンチポジションのロッド角度も垂直付近に近づく事となった。
これらも一つの方法に過ぎないのかも知れないが、右と左の決定的な違いはここにあり、今迄左のスイープは上腕のみで行おうとしていたのだ。
そして、これは抜上式でも同じではないのかと直ぐに “ 垂直のハーフサークル ” を意識してロッドを操作すると、右でも左でも操作が楽で滑らかになったと感じられる。
常にラインが先まで一直線に延びている状態からスイープするシングルスペイやアンダーハンドのロッドティップは常時上を向いている事から、その対極にあるグリップエンドは下を向いている。
そうした様子を毎度の
YouTube動画 から見ていると、最終的に少し振り上げている動作 ( ドリフト? ) を伴ってはいるが、概ね身体の手前から奥に向って行う “ 水平のハーフサークル ” を描いている。
これに対しペリーポーク系のキャストでは、ラインを一時手前寄りに折り曲げるという操作がある為に、そのロッドティップは水面付近からスイープされる事も多くある。
するとそのアンダーグリップの角度は、前者とは違ってキャスター側に横向きにあり、そこからスイープで描かれるハーフサークルは大凡、下方から上昇させる “垂直のハーフサークル ” であると思える。
要するに、右では知らず内にアンダーハンドキャストの様な動作を何時の間にか取り入れていたと考えられ、これを逆に言えば、こうしたキャスティング動作は全て通ずる要素があるという事を改めて感じる。