先週の16ftでは前回の反省から小さくスイープする事を重点としたが、重く硬いこのロッドは二段反転式等から身体近くにパタン、パタンとラインを折り畳むといった器用な操作を苦手とする。つまりは小回りが利かないとでも言うのだろうか。どうもこれまでの如く大雑把に動き、ついついアンカー位置が離れてしまう。
重い物体を動かすには大きな力が必要とされ、大きな力を出そうとすれば身体が力む。又、力の強いティップは手加減が効かず繊細な操作にも向かない。
巨体に馬鹿力。まるで、アウトコースのボールは軽々とスタンドに放り込むが、際どくインコースに投げ込まれると手も足も出ない外国人バッターの様だ。
やはりこのロッド、前後に広々とオーバーヘッドからラインを伸ばし、ポンとシュートするのが相応しい。
しかしながら、LT-Speyを始めとする他のロッドであれば出来る事であり、鈍重なこのロッドであっても常に意識を保ち続ける事で何とか身に付けられそうであり、少々安堵していた。
また今回、米国製の深い緑色をしたロッドを手に入れ、コイツの試し振りをするのも楽しみだった。
12ft、7番。これを16ftの後、手にするとダブルハンド・ロッドのミニュチュア模型の様でもあり、何か可愛らしく感じてしまう。
又、“ Spey ” とは銘打っているものの中央から穂先に掛けてはフニャフニャと3番ラインが投げられそうな程柔らかい。こんなにも柔で大丈夫なのかと心配になってくる。
これで7番指定、些か疑問に思えるが、竿元寄りは幾分強そうではある。取り敢えずは6/7番仕様のスカンジナビアンSTヘッドで左から一投すると別段、問題は無さそうで意外にも飛ぶのだと感心してしまう。
次に右、数投した後フルキャストを試みるとテーリングを連発している。
近頃、利き腕である右のキャストに何か、狂いが生じている。
16ftという “ 剛 ” のロッドを扱っていると、他のあらゆるロッド操作が簡単に感じ始めていたが、ここまでも弱々しく “ 柔 ” で対極するロッドには戸惑ってしまった。