結果がどうであれ、こんな事は今回で最後にしよう。
そう決心しながら夜更けの幹線道路をひた走る。
午前1時30分、本流へ到着した。今回、2度目のせいか先週よりは夜目が効く、月明かりがある訳でも無く、車の明かりを頼らなくともウェーダーを履くことが出来る様になっていた。
先週より随分と減水し遡行が楽になったので更に広範囲に探る事が出来るかも知れない。
そんな期待を抱きつつ目的の地点に辿り着いた。キャストを重ね奥へ奥へと進んで行く。相変らず流れは速いが以前の様な恐怖感を覚える事は無い。但し、夜目が効く様になったとはいえ、ラインは全く見えない。シュート時の水飛沫とロッドに伝わる反動だけでキャストの精度を判断するしかないのは同じだった。
暫くすると根掛かりを起こした。そうかこれだけ水位が低下すれば無理も無いと思っていた。ここで毛鉤をアルミニュウムからプラスティック製のチューブフライに交換したりしながら続けるが、どうしても根掛かりが多発する。
これは駄目だ。このまま釣りを続けるのに幾つかの方法が考えられたのだが、最近ここでは夜釣りばかりで地形や流れを把握していない。これでは釣れる気がしない。明るい時間にこれらを確認しておく必要がある。
午前4時30分。こうして早々に見切りを付け、取り敢えず帰宅する事にした。
午前10時起床。予報とはやや違い薄く雲が広がっていたが、穏やかないい天気だ。ここ3週間、練習が疎かになっているし、あの減水した本流の流れにどうしても興味があった。
再度本流へと戻ると、落ち鮎目当ての釣り人が賑わっている。そそくさと支度を整えるとあの流れを目指す。いつの間にかススキが穂を伸ばし本格的な秋の気配を漂わせている。
久しぶりに減水した流れを目の当たりにし、「 そうかそういえばこんなに浅かったのだな。 」 と一人納得している。落ち込みにはここらしからぬ岩が点在し、その反転流に毛鉤が吸い込まれたらフローティングラインでも根掛かりするかも知れない。今度は立ち位置や毛鉤を落とす場所をも考慮しなければならない。
そして次に感じた事。それは見える事の方が楽しいという事だ。また、例えシューティングヘッドでもやはりシュートからの着水後には毛鉤が先行して流れる様にラインを操作する必要があるので、ただ闇雲に毛鉤を流しても釣れない可能性が高く、更にキャストをもっと完全なものにしなければいけないと感じていた。
こうして核心部の本質が明らかになると新たな場所を見たくなる。この水位ならば今まで知る事が出来なかった場所へも行くことが出来る。
更に奥へと進むと予想通りかなり浅くなってあの日の水位で脛辺りまでしかない。これなら対岸へ渡れるかも知れないと更に進むがその先は深く流れが強いので断念したが、これらは今後の役立ちそうだ。そしてその上、いつもは鵜や鷺達の休息場所となっている前人未到?の中州へも到達出来た。
一方は釣りの方はといえば全く反応無し、あれだけキャストしたのでまぐれでニゴイやハスの一尾でも釣れてくれればいいものを全く情け容赦が無かった。