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HP”飛翠cast”の日誌。                                     
by hisuycast
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 6月21日   流離釣記、その六(鮎の里。)
  ラインを徐々に伸ばし、足元から探りながら腰まで立ち込んで最大限の後方空間を確保し、試しに一投して見る。 「 ガサツ。」 ラインによって引き千切られた若葉がヒラヒラと風に吹き飛ばされていく。 駄目だった。ダブルスペイと同様に 反転式 も意外と後方の空間を必要とする、10mのシューティングヘッドでも無理か。それならばこれでどうだと、変転式 と 抜上げ式 を混ぜ合わせ、ロールキャスト風なキャストを試みると飛距離は劣るものの何とかシュート出来た。これで何とか釣りになりそうだ。
 取り敢えずこの方法で探って行く、この下まで行けば岸際まで生い茂った草木によってやや風裏になっている。あそこ迄行く頃、持ち手を切り替えて見よう。
  ここ足元付近は落ち込みによって反転流を形成し、川底は以外にも平らになっている、まるで石畳が敷き詰めてあるかのようだ。これは戴けない、やはりこの川も砂と小砂利に覆われて来ている。だが、白泡が湧き立つ流心付近の川底は大石が点在していそうだし、水深もありそうだ、誰が見ても怪しく、そして如何にも大物が潜んでいそうな気配を醸し出し、初めて釣りをするこの場所の雰囲気に心臓の鼓動を感じ取っていた。




 6月21日   流離釣記、その六(鮎の里。)_f0084561_15483882.jpg

  何度も何度も、流心目掛けて毛鉤を投射するが、何の応答も帰っては来ない。やがて流芯が少しずつ開いて来ると足元の底石も大きくなり深くなって来た。このまま下っては危険だった、岸の間際を釣り下りながら持ち手を切り替えていた。そうなると幾らも角度の変更が出来ない、やや風裏になり普通のキャストが可能なのだが、益々水深が増している、要するに岸から急激に深くなっているのだった。岸に生えた草木を掴みながら更に数メートル釣り下るが、遂にこの先の遡行を断念する。この先は残念ながら餌釣り、若しくはルアー釣りの世界だった。
  こんな時にも、ふと考えてしまう事はこの釣りなんと厄介な釣り方なのだろう。何故自分はこの釣りを選択してしまっているのだろうかと思ってしまう。だが致し方ない、きっとこういった圧倒的に不利な面もその楽しさの一つなのだろう、きっと ・・・。
  中々いい所だったのだが、またしても釣れない。いや、それどころか釣れる気配が無い。何と厳しい本流なのだろうか、ここは・・・。

  車に戻り国道を更に下っていた。この先は自分にとって未知の領域でやはり予てより一度は見て見たい所だった。所々で橋を渡りながら川を凝視するも、その河原は小石が広がった鮎の里といった雰囲気であまり魅力的ではなかった。
  噂ではこの辺りの方が釣れているといった事を耳にするのだが、果たして本当なのだろうか。自分にはどうしても信じられなかった。街中の開けた河原は交通のアクセスが良く何処からでも釣りをしやすい、楽に釣りを出来るから釣り人が多い、釣り人が多いから釣れている人を目撃しやすい、即ちあの辺りは釣れるといった図式が出来上がっているのではないだろうか。
  偏屈者の自分にはこう思えてしょうがなかったが、たった一度遠くから眺めただけでは分らない、一先ずは適当な場所を見つけて釣りをして見る事にした。
 6月21日   流離釣記、その六(鮎の里。)_f0084561_15564552.jpg

  土手沿いのアスファルト化した道路を走りながら、鮎の里と化した本流に唯一、いい流れを見つける事が出来た。直ぐに身支度をして釣りをして見たがやはり何の気配も無い、何かの稚魚くらい泳いでいる姿を見かけても良さそうなものだが何も居ない。そこには薄っすらと残雪の筋がある綺麗な景色があるのみだった。
 6月21日   流離釣記、その六(鮎の里。)_f0084561_1557581.jpg

  風は収まって来たが雨が本降りになり、後は下流部の本流を見て廻っていた。町並みも殆ど都会といった雰囲気で少し消沈していた。河原は何処も浅く広がっている所しか発見出来なかった。この辺りが釣れるのは早期の頃だけかもしれない、なるほど、そうなるとやはりこの本流も自分にとって魅力的に写る場所は限られて来る。
  これで次回への参考になったと納得して、土砂降りの国道をインターチェンジに向って車を走らせていた。

                                     流離釣記、完結。 

              ◎つまらない記事を長々とご覧戴き有難う御座いました。
by hisuycast | 2006-06-21 16:01 |   釣   記
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