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HP”飛翠cast”の日誌。                                     
by hisuycast
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5月20日   倦 怠。
  一昨日の朝、友人から吉報を受けていた為か、時計が鳴るよりも前に目覚めていた。中途半端な時間で朝の通勤競争に巻き込まれるのを覚悟し、いつも本流へと向かっていた。
  5月の中旬ともなると途中に広がる田園地帯には既に田植えの時期を迎えた景色が広がり、小さな用水路にも水が多くなっている。
  以外にも道路の混雑は予想を裏切り、おまけに前日の天気予報もはずれて、北へと向かうにつれ雲が薄くなって来た、幸い雨にも降られる事はなさそうだ。

5月20日   倦 怠。_f0084561_1121365.jpg

荒涼とした中にも緑が多くなって来た。









  午前8時30分頃、毎度の場所へ到着すると前日の賑わっていたという様子からは打って変わり釣り人は少ない、対岸に3~4人のルアー釣り師、こちらには姿無し、皆雨を嫌ったのだろうか。
  偶然、同時に到着したyou氏と昨日の健闘を讃えていた。昨日からの雨は若干の増水を齎したものの先週の増水に比べれば何のことは無いし、こういった天候は風も穏やかで釣り日和と言っていいだろう。
  身支度を整え、誰も居ない左岸に何処から探りを入れていくかを迷ったものの、いつもどおり14ftをもって上の落ち込み付近へ向った。ずっとマルタの集まっていた瀬には既にその気配も無くなりラインは静かに流されるのみだった。そのまま釣り下っていくとこのラインでは沈み過ぎるのか根掛かりが多いここは諦めて核心部へと向かう途中、いつの間にか来ていた稚鮎の密猟者に遠回しにその注意を促すのだが、「うん。」だか「おお。」とも聞こえる生返事が帰ってくるだけで効果なし、最近は街に一歩出るとアノ手の人が増えた、ああいった年代の方があの様だから今の日本を象徴している気がして少し憂鬱になった。

  16ftを担ぎ核心部へと向かうべく浅瀬を横切ろうとした押しの強さに越後の本流を思い出していた。きっとあの本流もそろそろ・・・、そして南会津の本流もそろそろエゾハルゼミが鳴き出す頃だろうか等と全く違う事を考えていた。
  怪しき領域に近づき、水温を計測して見ると12℃を少し下回っている。このところ1週間に1℃ずつ順調に上昇していたので本来ならば14℃位にはなっている筈だったのだが、この頃の天候不良がその要因だろうか、その事が少し気がかりだった。
  その流れにもたれながら、上空を見上げると稚鮎らしき小魚を咥えたコアジサシが頻繁に飛び回っているものの、今日の本流にはいつものモジリが見られない。だが、ずっと下流に入ったyou氏は相変わらずコイ科の魚類を釣り上げている。この地で稚鮎の密猟者を除き最も多くの魚を釣り上げているのは彼ではないだろうか、その姿には最早、風格さえ漂う。

5月20日   倦 怠。_f0084561_1122766.jpg

矢を射るかの如く、独特の構えを見せるyou氏。







  ほぼ同じ場所で只ひたすらにキャストを繰り返す。魚を寄せて釣る箆鮒釣りを除いて自分が一番苦手な釣りをこのところずっと行って来ている。湖や管理釣り場と呼ばれる釣堀などの場所になかなか出向く事が無いのはこれに起因しているのを忘れていた。しかしこれも釣り本来の姿と説いていいのだろうが、同じ場所で同じ様な事を延々と繰り返すのが苦手で足で稼ぎ、刻々とその景色が移り変わって行く渓流釣りが大好きだった事を・・・。
  更にこの景色にも飽きて来てしまった。よくよく思えば2月の下旬か3月頃だっただろうか、毎週ここに通って同じ殺風景なこの景色を眺めていた。しかしながら、こういった愚痴も言わず只々延々とキャストをし続けたyou氏だからこそあの魚と出会えるのかも知れない。

  両足の太股に張りを感じた頃になると丁度、お昼を迎えていた。やや遅れてやって来た はる氏は車に近い岸際に探りを入れていた。休憩を取ろうと車へと戻るとyou氏もやって来た。ここで3人揃っての談笑が始まりあっという間に1時間ほどが経過していたのだが、このひと時が一番楽しかったのは釣り師としては失格なのだろうか。

  さて空が明るくなって来た。今日、あの現象は起こるのか。       

                                        続 く。

5月20日   倦 怠。_f0084561_11222955.jpg

by hisuycast | 2006-05-20 11:45 |   釣   記
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