暫く続いた暖かい陽気によって完全に麻痺させられた最中、ここ数日は大陸から寒気が南下し寒さが戻っているものの、未だ4月とあれば元々この程度は当たり前。30年程前には桜が満開となった4月になって、事もあろうか2週連続で大雪に見舞われた時もあった程である為、今月一杯は平野部でも寒い日があると覚悟するべきだが、少し北上でもし、山間部にでも分け入ると、未だ冬の表情が色濃く残っているだろうから、遠出をする多くの釣り人にとって寒さへの対策は慣れているのだろう・・・。(笑)
と言う訳で、5月中旬程の暖かさとなっていた先日の利根では一旦、取り出してしまった16ftのログネスによる無理矢理な釣りには見切りを付け、次に10ftのシングルハンド・ロッドを持ち出し、右岸からの釣りとなり、長らく遠ざかっていた左腕一本のキャストとも重なり、ここに残った一抹の不安は始めると同時に解消され、全く違和感すらもなかったその一方、確か左のキャストでは未知の領域となっていたタイプⅢのシンクテイップを腰近くまで水に浸かった状態から引き抜く作業に関しては暫くの間は苦労を強いられていたが、これも些細な補助的操作を加える事によって簡単に解消されると、限られたキャストの飛距離と丁度相成って快適な釣りが出来た反面、肝心なお魚の反応は何時通りに皆無だった・・・。
こうした様子はルアー釣りにしか興味を持たない圧倒的大多数を占めるご当地の釣り人諸氏には滑稽にも映ったとしても、利根大堰下の埼玉側は一番手前を流れる幅の狭い一つの筋が水没テトラ群の掃き出しから水深も増し、この奥へは平水でも恐らく分け入れない10年前の状態に回復しつつあり、この筋は有望であるのは勿論ながら、長いフライラインを使った釣りの場合は如何にしても、ここに狙いを絞らざるを得ず、この点でもフライフィッシングとしての分は悪いと言う現実がある。
その反面、これらを知らずに、釣り掘りのスレた鱒を相手にした時と同じく “ フライはルアーよりも釣れる! ” と思い込んでしまう程、ここでは全く釣れない為、先の件に関しても無理はないが、直ぐに飽きてしまいキャストすらも苦痛になるルアー釣りに対し、フライフィッシングのキャストは何時間、繰り返しても飽きない面が個人的にも強みと思えるものの、ひと度、強風にでも見舞われた際には、忽ち過酷な 荒 行 へと変貌する・・・。(笑)