日本海側から山間部に掛け大量の降雪を齎したとされる今冬から解放された近頃では心持、藤原ダムの放水量も例年の同時期と比較して多い印象を受けると、当然ながら利根川の水位も高めに推移し、そろそろ鱒達の遡上を後落としするかも知れない。
斯くして、“ 指挫滅創 ” によっても最早、利根川の釣り場を隠す個人的な感情や必要性は薄れ、寧ろ日本全国に知られる存在でありながらも、釣り場として騒がれる地域は精々、前橋から上流の地域に限られるお寒い状況から、今回も先週に得た利根大堰下の近況を記述し、これは自身の雪辱を晴らすにも極力フライフィッシングを志す方々に “ 関東のサクラマス? ” とも呼ばれる “ 利根鱒 ” へ挑んで頂きたい是非、雪辱を果たして頂きたい所でも、やはり景色や実績等々でも鬼怒川や魚野川、犀川が圧倒的に好のまれる世の中の風潮には全く揺るがないだろう。(笑)
先ず、埼玉県側に関しては夕方の一時間程度しか観察していないが、2~3年前に大量の砂が堆積した状況と酷似しており、映像の通り “ 石碑前 ” から中洲までの徒渡は至って可能で川の水面にサザ波が見られない平らな箇所は砂が堆積し浅く、また通称 “ 岬 ” と呼ばれた人気ポイントは再び砂によって埋め尽くされ、ここから川の奥へと立ち入れてしまう反面、ここは “ 浮き砂 ” である為、無理は禁物と言った所で益々趣に欠いた単に欲求を果たす為だけの釣り場となっている。
そして、前々回に紹介した通りに、流芯の状況が大きく変化した事によって群馬県側からの可能性は過去9年間の中で知る限りでは最も高まったと感じられ、特に須加小学校を真正面に見る辺りからの川底は大きく好転し、季節風が弱まり始めた当日の午後、欄干の残骸らしき水没物の下からウェーディングによって釣り下りを始めると、国土交通省が公表するデータがこの日は “ 川俣 ” で―3.09から―3.04の概ね平水の水位では驚く程の奥までの立ち込みが可能で最終的には埼玉県側のテトラポッドの点在が始まる対岸付近の50~60m程までの地点まで到達出来てしまう恐ろしい状況だったが、そこから下の地形は緩やかない深みを増し、また元の群馬県側まで真っ直ぐ戻る経路でも深くなっている為、実際に危険を伴い本来ならば最低でもフローティング・ベスト等を装着するべきで、この地点から戻るには川を斜めに遡って帰還する進路を選び途中の中央付近には膝下程度の水深部分があっても更に進むと再び深い箇所がある為、些か不自然な印象を受けるも、流れの筋がある箇所は意外と浅く、淀んだ箇所程、深い場合が多い地形形質は砂によって齎され、台風等によって今一度の増水に見舞われると再び一変する可能性も高い。