今年の釣り始めとなった前回、開始から僅か一時間半程度で忽ち暴風に見舞われ、以後は釣り場の下見となってしまったが、この兆候は先日にも見られた事から、今回は風が強いと予報された前橋寄りを極力避け僅かでも南部へと、朝一番から利根大堰下の群馬県側に向かったものの、またしても到着して一時間も経過すると季節風が強まり始めてしまい、このままの続行は無駄と判断し、風が弱まると期待して移動した渡良瀬川も大差無く下見程度に留めては昼頃には再び舞い戻り昼食と共に休憩していると、強風は珍しく徐々に収まる気配を見せ始め、結局は元の場所で釣りを行う結果となった。(笑)
斯くして、朝の短時間によって旧来の核心部は大凡の把握が済まされた事から、以降の興味は大きく変貌した流れの筋によって、更に下流に目を付け、嘗て大堰下の左岸に該当する群馬県側は流れの殆どは急激に埼玉県側へと向かい、これに伴って流れ出し下の左岸側全般は鱒族が潜むには到底相応しいとは思えない淀みを形成し、ここ左岸側から鱒を狙う箇所は極僅かに限られていた。
ところが、何故か数年前より巨大化を続ける堰下直下の中洲によって手前の流れが強まり始め、こうした流れの筋は中央寄りの流芯と二分する程の勢力を強めたまま左岸寄りを下り進み、やがて奥に位置する流芯からの流れをも巻き込む印象は、丁度、増水時の流れを彷彿とさせると、当然ながら川底の形質も変化しており、今迄は延々と砂地だった箇所にも幾分大き目の石が敷き詰められた様子がラインを介してロッドから心地良く伝わって来るとなれば、この場所に限って言えば嘗ての不毛地帯より事態は好転したと感じられ、暫くは通い詰めているかも知れない。(笑)