前回のドリフトについて先にシングルハンド・ロッドから感じた件は、右のバックハンドから左のキャストを移植する際、最後の障害となったのは手首の動きにあり、少し前に記述した左のキャストが行うロンチポジション終盤の手首が見せる動きこそが実はドリフトに該当していたと思え、これによってヘッドはロッドの先端から延長線上に伸びたオーバーヘッド・キャストのバック・キャストに似る状況となってDループならぬVループを描き、この操作によってロッドの傾斜角は一層寝かせた体勢となるが、この状態が目下、ダブルハンド・ロッドでも取り組み中の下段突きフォームにも都合良く作用する。
この作用についても少し前に触れたが、例えば鉄パイプ等を曲げて加工を施す際、パイプは曲げる方向に対し、より大きい角度を得られる固定方法が合理的で大きく曲げる事が出来、ロッドを背後へ倒した状態からグリップを担ぐかの如くブラ下がる動きが下段突きの極意と言え、感覚としてはバット部分から殊更に曲がっている。
そして、ロッドが大きく曲げられた状態から真っ直ぐと突き刺す様なシュート操作を与えられる程、ロッドの先端とグリップ付近の高低差も縮められ、飛行するループの形状は益々細く、強いエネルギーを得ては空を引き裂くかの如くに放たれる。