執念深い寒さも5月に突入すると漸く影を潜め、春本来の暖かい陽気が戻って来た・・・と思っていたのは束の間、東京に5日間の連休全てが快晴と言う50年振りの快挙?を齎した高気圧によって気温も連日は真夏並みまで達すると山間部の雪解けも気加速、遥か上流のダムは一秒当たり120㎥を超える全く想像も付かない量の放水を始め、本流は大雨でも降ったかの様に溢れ、田植え前の乾燥した平野には殆ど役に立たない大量の水が無駄に流れ出していたのは、何処か官僚やら族議員に翻弄されては闇雲に国費を垂れ流し続けた国内の政策にも重なる。
と、話が脱線を始めつつ、数日前から続いた晴天から最も気になるのは毎日の最高気温、はたまた高値の続いた野菜の価格!?でも無い本流の水位へと変わり、世間一般が正常に戻った先日も起床後、真っ先に確認した観測データは昨晩よりも若干の減水を示し、つい期待を抱いてしまうものの、当日も晴れが延長され最高気温は30℃近い予想では本来ならば本流は断念し、好調な便りが続く新緑の美しい山上湖へでも向うのが賢い選択ではあったのだが、結局、阿呆な奴は何処までも阿呆だったと後日には後悔しつつも極力は近場で行動し、今年も値上がりを始めたガソリン代を節約する哀れな貧乏人。(笑)
斯くして、上流が駄目でも下流ならば辛うじて釣りが成立するとの期待から選択した砂礫の本流も暫くこの地に遠ざかっていると水位からの状況推測も鈍ってしまい、朝霧で霞む真平らで遠浅だった地形の左岸でも水路の如く早い手前の流れは深みまで増した危険水域と変貌し行く手を拒まれ目論みも崩れていのだが、他に回避策もなく、支度ついでに居座ってしまうと忽ち通勤の混雑時間へ移り、最後のお目当て?!とするニゴイやマルタまでも沈黙したまま時計の針が9時を回ると誰もが集中力が途切れるのか人気のある対岸も釣り人が減り、一旦は休憩を挟む。
そして、この時に出会った方から連休中では本命の遡上鱒が一切釣られていないらしいと聞かされたのは現在の水位が高い状況では当然でも、一見無駄に流失していると感じてしまった大量の雪代が実際派は遡上魚達をも上流まで安全に送り届け、渓魚を確実に育む役割を担っていた事を思い起こすと何故か、やがて最盛期を迎えるエゾハルゼミの声を鬱蒼としたブナ林からキビタキの合唱と共に体中へ浴びたい衝動に駆られる。