狭く無駄に曲がった道路に古式床しい佇まいをも残す路地裏を通り、護岸の緑地帯に沿って今回初めて訪れる河原へ地図を片手に進み、やがて正方形に区画された敷地に現代風な建物が立ち並び前面道路も広く整備された分譲住宅街に入ると、 この辺りから人口30万人を超える北関東の地方一大都市との境界線を跨いでいたと気付いたのは先日の午後5時近くになっていた。
この地域、緑地帯は幾分広くなり地域住民の憩いの場ともなっているのは運動場へ導く標識も設置されている事からも容易に伺えるも、これとは違う方向へと車を進め、草叢に遮られたマニアックな悪路を進んで行くと突然視界が開け大石の転がる河原に広がったのだが、次の瞬間には対岸の光景を見て面食らった。
粘土質剥き出しの切り立った荒々しい崖を長々と形成し、その直ぐ上には立派な邸宅が立ち並ぶ閑静な住宅街と言った何たる不釣合いな様にして実に意表を突く光景は中々お目に掛かかる事はない。
そして更に、ふと脇に見る岬状の地表は座礁して朽ち果ててしまった物悲しい戦艦の如くひっそりと佇み、又これは見る角度によって恐竜の様にも映る正に本流が増水の度に少しずつ彫刻して築き上げた造形芸術!!。
さて~、肝心の釣りはどうなったのかと言えば、この場所は川幅が狭く殆ど飛ばす必要も無い。また足元から一気に深く流れは水路の様に早い為、狙い目としては反転流渦巻く岸際に極限られてしまい、こうしたキャスティングを楽しむ釣りでは全く面白くな~い!!。
と・・・、負け惜しみだけを残し、この場で一日が終わったのだが、 この辺りは、近代的な街と古代的な風景が隣接する地域で思わず住んで見たいと思った。
そうすれば、釣りも毎日出来るかも・・・。(笑)