青く済んでいた空、やがて下流からの風が強まり、次第に灰色へと塗り潰されて行った先日午後の本流。
濃厚な緑色に染まった深場の中央には先程と入れ替わった別のルアー釣り師が陣取って全く動く気配がない。ここから予定を詰めて移動したのが、過去眺めたのみで仕掛けを流していない場所。
上の落ち込みは対岸を抉ってはいても、これに続くトロ場の流芯は地形の関係上か川の中央を湧き出る溶岩の如く広く、ゆったりと流れ、カケアガリは岸際から一気に裂けて急激に深い様子から遠投する必要も無く、ここでは長らく出番の無かったKⅡの13ftを持ち出しインターミディト+タイプ5から岸寄りを探索しても柔軟にして復元も比較的早いロッドの感触を楽しむだけで終えた。
次は前回初めて釣り下り最早お気に入りの場所となってはいたが、今回は先行者が居り、その被っている帽子から同類の釣り人かと思いきや、短いロッドの先にはキラキラ光る金属片が垂れ下がっていたのが、今風とでも言うのか何故か印象的だった。
強まって居た風もここでは風裏となるらしく、対岸の崖上に聳え立つ木々と背後の梢がガサガサと揺れていた。
流芯も遠いここではロッドをログネスに替え、インターミディトにタイプⅢを接続したドロッパー仕掛けを落ち込みから流し込む。AFSのボディは視認性が良く、流芯が対岸寄りに位置するここではシュートの着水後、ヘッドの後ろ半分の方向を2回修正するだけで緩やかなS字を維持しながら流れて行くのを見ていると、やはり長いロッドが断然有利であると感じるのだが、真実は単に好きなだけなのかも知れない。(笑)
前回のタイプⅡボディに対し、今回は流れる様子を確認出来るのは、これはこれで楽しく、完全に空想の釣りから一定限度内で目視の釣りとなって流れに漂うヘッドの形状見ていると集中力も増し、そしてゾクゾクもするのは、恐らく、こうした釣り人には皆共通する感覚で、これをヘラブナ釣りに例えると投入したヘラ浮きにサワリが出ながら理想的に馴染んでトップの一メモリを残して沈んだと言う如何にも釣れそうな状況で暫く下ったスイングの終了間際、ゴン!と来たのが・・・、
ヤン坊、マー坊、レイン坊~!!。(笑)
こうして、当日も何か本来の目標からは逸脱した様な釣りとなって、夕暮れにはライズを待つ地元イブニンガー!?の方達にタスキを渡して一日を終えた。